経尿道的膀胱腫瘍切除術を受けられる方へ
#膀胱腫瘍とは?
できもののことを専門用語では腫瘍といいます。膀胱にできたできものが膀胱腫瘍です。腫瘍により尿が赤くなったり頻尿になったりすることがあります。
#なぜ手術が必要か?
腫瘍を取ってどのような性質のものか見きわめるためです。腫瘍の根があさい場合は根治的治療となりえますし,根が深い場合でも今後の治療方針を決定するのに必要な手術です。取った腫瘍は薬液で固定し,顕微鏡で観察してどんな性質のものか判断します。顕微鏡でみた結果はおよそ1週間後にわかります。
#経尿道的膀胱腫瘍切除術とは?
水を膀胱内に注入しながら内視鏡(カメラ)を尿道を通して膀胱内に挿入し,腫瘍をつまみとったり電気メスで削りとったりする手術です。泌尿器科の手術の中では小さな手術で最も多く行っている手術のうちのひとつです。
- 【麻酔】
- 通常下半身麻酔です。詳しい手順は別の用紙にかいてあります。麻酔科の先生の説明をおきき下さい。
- 【手術時間】
- 通常およそ1時間かかります。

#術後経過
手術後には点滴と尿を流すくだが入っています。
- 【点滴】
- 通常半日で抜けます。
- 【尿のくだ】
- 通常翌日か2日後に抜けます。膀胱の中にくだから水をながして血が固まらないようにすることがあります。
- 【安静度】
- 手術を行った日はベッド上ですが,翌日からは歩行可能です。
- 【食事】
- 5時間後飲水可能となり,翌日からは普通の食事です。
- 【痛みや熱,頻尿,血尿】
- 術後ときにありますが,たいてい数日で止まります。
- 【退院】
- 通常手術の翌日か2日後に退院できますが,追加治療が必要な場合などには入院期間が長くなることもあります。
#合併症(手術により発生しうる望ましくないこと)
- 【膀胱穿孔】
- 腫瘍を切除するときに深く削りすぎて膀胱に穴があくことがあります。たいてい1週間ほど尿のくだを入れておけば自然に穴はふさがります。しかしときに途中で手術を終了せざるをえなかったり,お腹に切開を入れて穴から漏れた液や尿を排出するためのくだを入れたりすることがあります。
- 【出血】
- 術後出血することがあります。様子をみておさまらないときは,再度手術室にいき,手術で止血することがあります。
- 【尿路感染症】
- 腎や前立腺,精巣上体に炎症がおこり熱や痛みが長引くことがあります。抗生物質などで治療をすることがあります。
- 【後出血】
- 術後1〜2週後に血尿がでることがあります。退院しておられたら外来を受診して下さい。
- 【尿道狭窄】
- 手術をして数カ月してから尿道が狭くなり尿が出にくくなることがあります。尿道を広げる処置が必要になることがあります。
- 【その他】
- ・予想をしない問題やあなたの他の病気に関連したあなた独自の問題が起こることがあります。すばやく原因をつきとめ最善の対応を行います。
-
・教育研究の目的で手術の過程を録画・保存することがあります。
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