平成21年度東北大学総長賞　大学院生　山下 慎一

この3月に東北大学大学院を卒業することができ、しかも東北大学総長賞をいただくことができ、大変光栄に存じます。これも多くの先生のご懇情に満ちたご指導、ご鞭撻のおかげであり、なかでも今回の学位論文の研究機会を与えてくださった荒井陽一教授、また研究経験のない私を受け入れてくださった札幌医科大学泌尿器科学教室の塚本泰司教授、実験を1から教えてくださった加藤隆一先生、小林皇先生には心より感謝しております。

私は教授が赴任される前に大学院の試験を受けたため、入学は8年前になります。同期入学者が順調に卒業するなか、4年間休学し八戸市立市民病院、宮城県立がんセンター、仙台社会保険病院で泌尿器科の診療に携わる機会をいただきました。そこで泌尿器科のいろは、臨床の大切さを教えていただき、また多くの貴重な経験をさせていただきました。さらに、治療のアウトカムだけでなく、治療後のQOLの重要性も学ぶことができました。この4年間の臨床経験があったからこそ、大学院での研究に真剣に取り組むことができました。したがって、本賞をいただくことができたのは研究前にご指導いただきました方々のおかげでもあると心より思っています。本当にありがとうございました。

大学院では臨床で疑問に感じた根治的前立腺摘除術後の機能障害、特に勃起障害のメカニズム解明とその改善方法に関して研究を行いました。札幌医科大学泌尿器科学教室およびその同門の先生方の温かいご支援とご指導のおかげで、神経温存前立腺摘除術後に生じる勃起障害のラット実験モデルを確立することができ、充実した研究生活を送ることができました。札幌医科大学でお世話になりました先生方には本当に感謝しております。

大学院卒業後は荒井陽一教授のご高配により、ロチェスター大学のChang教授の研究室に留学する機会をいただきました。この受賞を励みに、さらに研究を発展させたいと考えています。