東北大学病院 泌尿器科 外科病態学講座泌尿器科学分野

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ある医局員の一日

ある医局員の一日

月曜日

おはようございます。医局の朝は早いです。
早朝は仕事中の人がいないので、皆で集まるにはいい時間帯なのです
(学生には朝が早過ぎるといわれているようですが・・・)。

まずはJournal of Urology(アメリカの権威ある月刊誌です)の抄読会です。時間を割いて自分で読むには相当強い意思が必要ですので、交代で数編ずつ割り当てを決めて要点を紹介する抄読会はよい機会です。

終わったら、病棟に行き情報収集後、回診をします。手術後の患者さんは急に体調が変わることがあるので特に気を使います。回診後は外来診療です。私の専門は神経因性膀胱ですが、今日は大学病院ならではの専門外来です。稀な神経因性膀胱の患者さんも、こと大学病院の専門外来においては珍しくなく、経験を多く積むことが出来るので大変有難いことです(もちろん患者さんにとってもメリットのあることと思います)。

午後は検査です。今の尿路管理が正しいかどうか確かめるための尿流動態検査を行います。今日の患者さんは子供で、じっとしてもらわないと検査にならないので寝るのを待ちます。寝たところでそっとカテーテルを入れ、検査は順調に終わりました。

火曜日

今朝は放射線科の先生とカンファレンスです。定期的に患者さんの画像を撮りますが、その画像の評価について意見交換をします。

火曜は手術日です。今日は内視鏡手術です。間質性膀胱炎疑いの患者さんの水圧拡張が1例目、2,3例目は膀胱腫瘍の経尿道的切除です。泌尿器科においても内視鏡手術が増えてきています。医療も実に日進月歩の世界です。

夜は大学院生の研究報告を聞きました。臨床をチームで行うことに慣れた者にとっては、研究は孤独で不安なことですが、本日発表の先生は排尿状況の把握や管理について積極的に研究なさっているようで、うまくいきそうです。

水曜日

今朝は総回診です。
総回診前に入院患者さんの経過について検討会をします。

総回診は時折テレビで見かけますが、当泌尿器科でもかなり大人数です。内訳は、教授、医局員、病棟の看護師長、病棟実習の学生さんで約20名になります。検討済みなので回診はスムーズに運びます。

その後は教授外来のお手伝いです。大学病院にはコンピューターの診療支援システムがあるのですがなかなか大変です。教授は患者さんとカルテを見ておりますが、私はコンピューターの画面も操作しながら、午前中で10名ほどの患者さんを診ました。

午後は前立腺の生検(組織の検査です)です。近年は前立腺癌の検診を受ける方が増えたことに伴い、腫瘍マーカーの高値にて精密検査である生検を受ける患者さんも増えていて、いつも予約はいっぱいです。日帰りの検査ですので、外来で検査の説明、針生検、次回受診の予約などを行いました。特に問題なく終了し一安心です。

木曜日

今朝は病理の先生とカンファレンスです。
生検や手術の標本を染色して顕微鏡で見ます(病理の先生がやって下さいます)。癌の種類、悪性度、進達度などはその後の治療方針を左右しますので、真剣に意見交換します。といっても、今の私にとっては病理の先生に所見を教えていただいたという感じでしたが・・・。

今日も手術日です。1例目はミニマム創(通常より小さな傷で)でリンパ節郭清の手術に入りました。傷が小さいと、のぞきこんで見たり、手術器具がぶつかったりと手術操作の難易度が上がるのですが、そこは日頃からトレーニングを積んでいるチームできちんと所定の手術を行いました。

2例目は腹腔鏡下に腎摘出術を行いました。今回は手術には直接加わらず、見学していた医学部の学生に所見を教えたり標本の写真を撮ったりしました。
手術が終わったら夜になっていました。皆様お疲れ様です。

金曜日

今朝はアメリカ泌尿器科学会の教育プログラムの抄読会です。
新しい情報や新しい研究は枚挙に暇がないほどで、とても全てに精通するという訳にはいきません。今日は何と早漏の話題でした!あまり考えたことがなく、知らないことばかりです。

その後は外来です。大学病院は予約制ですが、患者さんによっては予約日の前に具合が悪くなることもあります。今日は予約外の方の診察をしました。幸い重症の方はいませんでした。

その後、他科の病棟に往診に行き自分の割り当ては終了です。夕の回診をした後は自分の時間です。おっと、教授より授かった宿題がありました。急いで仕上げねばなりません。

まずまず、標準的な1週間だったと思います。おつきあい有難うございます。


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