東北大学病院 泌尿器科 外科病態学講座泌尿器科学分野

東北大学病院 泌尿器科 前立腺 尿失禁 人工尿道括約筋 人工括約筋

Home          研修生の声          佐藤 友紀

研修生の声

宮城県立こども病院  佐藤 友紀

医師4年目の佐藤友紀です。今回はこのページに、宮城県立こども病院泌尿器科での研修の様子を、3カ月と短い期間ではありましたが、御紹介させて頂きます。

研修医2年間修了後に、東北大学で1年の勤務、その後医師として4年目の春からこども病院で勤務しました。初期研修時の小児科ローテートは主に呼吸器感染症や、その時期の流行感染症、髄膜炎など小児としてのよく外来で遭遇するcommonn diseaseを学びました。

幅広く疾患を知ることはできましたが、小児泌尿器の専門的な知識に関しては恥ずかしながらほぼ持ち合わせてなかったこともあり、小児というだけで、自分としては研修前の時点で苦手意識がありました。多少の不安もありましたが、4月からこども病院を研修し、外来診療や手術に多くの機会で小児泌尿器疾患に携わり、また、直に小児や、その両親と日々接することで少なくとも、以前持っていた苦手意識はなくなったと思います。ただ、やはり子供といえど、生後数日の赤ちゃんから高校生、または、40歳代の尿道下裂患者さん(こどもではありません)に至るまで外来に通う患者さんの幅は広いことに気づかされます。外来中に科長の坂井先生から疾患について診察のポイントや教科書以上の知識を教えてくださり大変勉強になりました。科長の坂井先生のもとに、先天性疾患を持つ小児が東北はもとより北関東からも紹介されてくる程で、外来予約はつねに数カ月先まで埋まっていることに驚きました。
竹本先生は主に、神経因性膀胱患者を担当され、脳神経外科で手術した小児の排尿管理など、自分が今まで経験したことのない症例を勉強させて頂きました。また小児の病棟管理についても教えて頂き、成人に対する術後管理とは違う要素があることをあらためて実感しました。

数々の知識はもちろんですが、一番自分が印象強く、また得られたものは術者としての心構えです。坂井先生のもとには遠方からも患者さんが訪ねてきますが、先生の手術に対する妥協の無さ、もちろん技術に関してもそうですし、術後の管理全てが勉強になりました。こういったところに患者さんは自然と集まってくる理由があるのだなあと強く感じました。

病院全体の雰囲気はとても明るく、まず、病棟の看護師さん達も若いです。3カ月の間、慣れてきたころに研修が終わってしまったので、人見知りの自分としては後悔先にたたずといった状態でした。ただ飲み会は楽しいです。

3カ月の期間に尿道下裂、膀胱尿管逆流症、先天性水腎症、尿管瘤、停留精巣、陰嚢水腫などの手術に入らせてもらいました。3カ月目の1ヶ月間は停留精巣の執刀もさせて頂きました。

話は少し変わりますが、5月の下旬から1週間ほど米国泌尿器科学会(American Urological Association :AUA)に行かせていただきました。東北大学の泌尿器科では例年、研修医をアメリカの学会に参加させて頂けるのです。アメリカは初めてで、また大規模な国際学会、これは自分の予想をはるかに超える規模でした。会期中に栄誉ある賞を受賞される大学の先輩方を目の当たりにし、いつか自分もと思いつつ、思いとは裏腹にサンフランシスコに舞い上がっていました。多くは書けませんが、荒井教授はじめ大学の先生方が一同に会した夕食会ではAUAの感想を聞かれ、まず船で行く監獄島ツアーのことやゴールデンゲートブリッジを自転車で通行したこと、サンフランシスコジャイアンツの応援をしたことなどを、真っ先に、隣にいた同期が感想として言ってましたが、会場に足を運んでいた僕としてはよく分かりませんでした。黒くなって帰ってきた自分に対する周囲の目が気にはなりましたが、大丈夫だと思います。

この年で国際学会を体験できたことは大変意義のあることで、連れて行ってくださった荒井教授、また行かせて頂いた坂井先生、竹本先生に感謝したいです。もう一度是非行きたいなと感じました。

こども病院での3カ月は小児泌尿器科の専門疾患を数多く学ぶことができ大変勉強になりました。ぜひ、今後泌尿器科を志望する学生さんは、一度、こども病院の雰囲気を知ってほしいです。特に女性で外科系を志望している人はぜひ小児泌尿器科の分野を考えてみてはどうでしょうか。
今後も外来診療で小児泌尿器科疾患に出合うと思いますが、こども病院で勉強したことを存分に生かしていきたいと思います。また、今後、こども病院を研修する先生には、3カ月の限られた期間ですので、悔いのない研修を送っていただきたいと思います。

坂井先生、竹本先生には大変お世話になり、勉強させていただきました。現在勤務している、雄勝病院で自信を持って小児も診療したいと思います。


TOP