東北大学病院 泌尿器科 外科病態学講座泌尿器科学分野

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こんな症状ありませんか?

「急に横腹に激痛が」(尿路結石)

元気にしている人が、急に激しい横腹の痛みを訴え、あまりの痛さにうずくまって動けなくなったり、食べ物を吐き出したりすることがあります。この激しい痛みは疝痛といって尿管結石によりひきおこされている可能性があります。

結石が尿管を閉塞し、尿が流れなくなって、腎臓が腫脹し痛むもので、尿が流れる場合は痛みません。従って、腎臓内に石がある場合はあまり痛みがなく、腎臓結石がある事を知らずに過ごしている人はたくさんいます。

腹部のレントゲン写真、腹部超音波検査などで診断しますが、外科領域の胆嚢結石、胆管結石、消化管穿孔など同じような激しい痛みがくる他の病気との鑑別が必要です。

痛みに対して、各種鎮痛剤(内服薬、坐薬、注射薬など)を使いますが、痛みが強く、どうしても痛みが取れない場合は硬膜外麻酔を行うこともあります。

治療はおなかを切らなければならないの?

結石の治療は石の大きさ、位置、症状の有無などにより異なります。小さい(1 cm)以下の石であまり症状のないものは、自然に尿にまざって流れ出てしまう可能性が高いので、すぐには治療の対象にはなりません。

しかし、頻回に痛みが出現する場合や、長期間尿の通り道を塞いでしまい、腎臓の機能を悪化させるおそれのある石は治療が必要になります。結石の治療自体もこの15年間に大きく様変わりしました。

以前は1cm程度の石を取るのに、20cm程おなかを切って取っていましたが、現在は体外衝撃波砕石術(ESWL)といって、患者様の体を傷つけることなく、体外より発生した衝撃波を結石に集め、体のほかの部分にはあまり影響を与えずに石だけを粉々に砕石する治療が主体です。

90%以上の結石はESWLのみで治療可能ですが、他の内視鏡的な治療法(経皮的腎砕石術(PNL)、経尿道的尿管砕石術(TLU)など)と併用してより効率よく治療することもあります。

また、こういった従来の方法に加え最近当科では腹腔鏡(後腹膜鏡)手術といって、体に4ヶ所程度小さな穴を開けてそこから石を取り出す手術も行っています。


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