東北大学病院 泌尿器科 外科病態学講座泌尿器科学分野

東北大学病院 泌尿器科 前立腺 尿失禁 人工尿道括約筋 人工括約筋

Home          代表的疾患         腹腔鏡手術

代表的疾患:腹腔鏡手術

腹腔鏡手術

当科では、年間に多数の腹腔鏡手術を行っています。副腎や腎の手術だけでなく、腹腔鏡の長所を生かせる疾患には適応を広げて、先進医療や、校費(大学で費用負担するシステム)での手術を行っています。

はじめに

かつて、手術といえば、皮膚を大きく切って行う開放性手術のことを意味しましたが、最近では、内視鏡で行う手術が増えてきました。以前から、泌尿器科領域では、尿道から内視鏡を挿入して行う手術を行っていました。尿路(尿の通り道)の出口である尿道から内視鏡を挿入すれば、尿路(尿道、膀胱、尿管、腎臓)を観察することや、尿路内の病気に対する処置が可能です。尿路の内視鏡手術だけでなく、腹腔鏡を用いた手術が、泌尿器科領域でも普及してきました。

腹腔鏡手術とは

腹腔鏡手術では、皮膚を小さく切って小穴を開けて、内視鏡や手術用の道具をおなかの中に入れて手術を行います。創が小さく痛みが軽く手術後の回復が早いなど、体に対する負担が軽いということだけでなく、内視鏡により体の奥深い部位でも良好に観察でき、レンズで拡大して見ることにより、繊細な手術が可能であるなどメリットが大きい方法です。現在、副腎や腎を摘出する手術を中心に行っていますが、腹腔鏡の長所を生かせる手術には、積極的に手術を行っています。

対象手術は

副腎摘除術:

副腎腫瘍に対して、腹腔鏡で副腎を摘出します。開放性手術では、11番目の肋骨(下から2番目の肋骨)を切除して、皮膚を大きく切開しないと副腎まで到達できません。腹腔鏡では3~4ヶ所の小さい傷で副腎の摘出が可能で、手術翌日から歩行、食事が可能です。東北大学泌尿器科の腹腔鏡副腎手術件数は年間100件を超え、国内最多です。

腎摘除術:

良性・悪性疾患によらず、腎摘除も腹腔鏡で行います。腹腔鏡の操作で腎の血管を切断し、周囲からはがして腎を完全に遊離させたところで、袋に詰めて体外に取り出しますが、腎は拳よりも大きいので、取り出す際には傷を広げる必要があります。皮膚のみを切開して、その下の筋肉は切らずに繊維の方向に分けることで、摘出することが可能です。

その他、下記の手術も症例によっては腹腔鏡で行っています。その際は、先進医療や校費で手術をおこなっています。

腎固定術、腎盂形成術、腎盂尿管切石術、後腹膜リンパ節郭清術、閉鎖リンパ節郭清術、尿管皮膚瘻造設術、尿膜管切除術など


TOP